第5話は、"起座呼吸"です。
この症状は、今までも何度か登場している"肺水腫"の症状の中で最も重い症状です。
字のごとく、起きて座っていても呼吸が苦しい状態で、肺が水浸しになって、酸素の取り込みがうまくいかないために、苦しいのです。
前回までに何回か説明させていただいたように、体を横にすると重力の関係で心臓に血液が戻り易くなります。しかし、もどってくる血液に心臓が対応できないと、息苦しくなる場合は、発作性夜間呼吸困難(第4話 参照ください)といいますが、起き上がっていても、心臓が対応できなくなってくると、横になることはできず、体を起こしていたくなる、そして、起こしていても苦しいという状況になります。
これが“起座呼吸”です。このような状況があれば、直ちに心臓専門の先生の診察をうけることをお勧めします。
軽い“起座呼吸”であれば、今回の話のように枕やクッションをいれて体を起こしていればなんとか眠れるということもあります。
いずれにしても、体を起こしていないと息苦しいときは一刻を争って診断・治療を受ける必要があるのです。
このことは忘れないでください!