急性心不全とは?
いままで普通に生活していた人が突然肺に水が溜まり、息苦しくなってしまう心臓の病気です。
そんな急性心不全で、アメリカでは毎年新たに50万人の患者さんが入院し治療を受け、年間30万人が亡くなられていると言われています。
では、そんなに恐ろしい急性心不全とはどんなものなのでしょうか?
まず、体の中の血液の流れを見てみましょう。
心臓には右図のように4つの部屋があって、その中を血液がめぐっています。
心臓から吐き出された血液は全身をめぐり、心臓の右房という部屋にもどってきます。
そこから右室を経て肺に行き、肺で酸素を十分に蓄えて心臓の左房という部屋に戻ってきます。
左室を経て、再び全身へと送りだされます。
ところが、心臓を養っている血管の病気や、心筋の病気で左室の動きが悪くなると、肺から左房、左室に入っていくはずの血液がうまく入り込めなくなり、肺に滞ってしまいます。
こうなると、肺は、血液が停滞して(これをうっ血といいます)、酸素がうまく取り込めなくなって、患者さんは息苦しくなるのです。
この状態を”肺うっ血”あるいは”肺水腫”といいます。
多くの場合、このような急に起こった肺うっ血が“急性心不全”の原因となります。このような急性心不全は、急性心筋梗塞と同じように早急に治療が必要になります。
もろろん、他のタイプの急性心不全もあります。
たとえば、何らかの原因で右心系の機能が低下すれば、このことから右心系に血液がもどりにくくなるので、体のむくみ、特に足のむくみが強くなります。
従って、むくみも大切な心不全の症状のひとつです。