第4弾は、"寝苦しさ"です。
今までも何度か登場した"肺水腫"の症状のひとつです。
寝てからしばらくすると何となく寝苦しくて、目が覚め、起き上がると楽になる症状は、"発作性夜間呼吸困難"と言われ、心不全に比較的特異的なものです。
このようなことが起こるのは、横になることで重力の影響が減り、下半身からの血液が心臓に戻りやすくなり、それに心臓が耐えられなくなるからです。
戻りが多くなった血液に心臓が対応できなくなると、血液は下半身から右側の心臓の部屋、肺、そして、左側の心臓に行き、全身を回るので、左側の心臓の部屋がうまく血液を吐き出せないと、その手前にある肺で血液が渋滞(うっ血、あるいは、水腫)を起こして、"発作性夜間呼吸困難"が起きるのです。
心臓に負担がかかると、心臓からナトリウム利尿ペプチドという尿を出すホルモンが出ます。
このホルモンに腎臓が反応して、尿として排泄してくれれば、夜間の多尿により心臓の負担を軽減してくれることもあります。
つまり、夜間の多尿も心不全の症状として注意する必要があります。
ここで、頻尿と多尿を間違えないでください。
頻尿とは、トイレに行く回数が増えることを意味することが多く、膀胱や前立腺など泌尿器系の異常により、トイレに行くけれどもあまり尿が出ないというのが特徴です。
夜間の寝苦しさがあり、起き上がると楽になる症状、あるいは、夜間多尿がある方は、是非、早めに心臓の先生に相談してくださいね。