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心不全は治る病気ですか?

すでに心不全と言われている方のQ&A

心不全は治る病気ですか?

心不全は、心臓の機能(収縮する力や拡張する力など)が何らかの原因により障害されたことが原因で陥る「症候群」ですので、その質問を考える前に、まずはその心臓の障害について考えなくてはなりません。

残念ながら心臓の障害のうち、時間が経つとともに心臓の機能が元通り正常になる可能性のある「可逆的」な障害は、そのごく一部です。アルコールの多飲によるアルコール性心筋症・頻脈を原因とする頻脈誘発性心筋症・あるいは心臓が風邪を引いたような状態になる心筋炎などといった病気の場合には、心臓の障害が一時的なものである可能性がありますので、原因を完全に取り除くことが出来れば、心臓の機能が元の状態まで改善することもあります。このような場合、全く薬を飲まなくても心不全が再発しないということが起こり得ますので、いわゆる「治った」という表現を用いても差し支えないと思います。

しかしながら心臓の障害の大部分は、もう元には戻らない「不可逆的」なものです。そのような場合には、心臓の機能が障害されたままの状態でも、心不全の症状(息苦しさ・むくみ等)が出現しないように、薬を使って調整しなくてはなりません。我々は、心不全の症状が強く出現して困っている状態を「急性心不全」と呼び、薬を使うことでその症状が落ち着いている状態のことを「慢性心不全」と呼んでいます。つまりどちらも「心不全」ですので、心不全が「治った」という表現は使えません。このような「慢性心不全」の場合、薬をやめてしまえば当然「急性心不全」の状態に逆戻りしてしまう可能性が高いですので、薬は飲み続けなくてはなりませんが、きちんと薬を飲んでいれば、日常生活を普通に送ることが出来る患者様がたくさんいます。つまり心不全を「治す」のではなく、心不全とうまく付き合っていくことが大切です。

上記の心不全症状以外の方へ

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